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2017年5月3日水曜日

いくつもの研究がフィットネスと記憶の深い関係を示唆!でもそのメカニズムは?

これまでいくつもの研究でフィットネスと記憶の深い関係が示唆され、研究者たちはそのメカニズムを解明することに苦労してきました。その一つのカギが見つかったという研究結果のご紹介。

以下にいつも通り要約してみます。

Brain tissue structure could explain link between fitness and memory (イリノイ大学).


まず「脳の粘弾性」について補足しておきます。脳は「粘性」(液体としての変形のしにくさ、ネバネバさ)と「弾性」(個体としての変形のしにくさ、例えば指で押すと元の形に戻ろうとするゴムのような性質)の両方の性質を持っているといわれます。解剖で外に取り出した脳はしばらくはその形を保とうとしますが(弾性)、そのうち横に広がってしまうそうです(粘性)。

次に脳の「海馬」についての補足。人間の体験や学習はこの「海馬」により短期記憶として一旦整理ファイルされた後で、その後重要だと判断されたものが大脳皮質へ長期記憶としてファイルされるという複数の処理段階を持っているといわれています。

米イリノイ大学(Beckman Advanced Science and Technology Institute)の研究者らはフィットネスと記憶の深い関係を解くカギの一つを発見した。
特殊なMRI装置を使って健康な若い成人らの(脳の)海馬の構造的統合性を図る指標の一つである脳の粘弾性と彼らのフィットネスおよび記憶力テストのパフォーマンスに相関があることを見つけ出した。
 子供に比べて老人では海馬が萎縮することが分かっている。このように記憶との関係では、これまで海馬の「サイズ」に焦点があてられてきた。しかし、この研究の若い成人らの間では特にサイズに関しての相関は見られなかった。
 研究では被験者の頭の下に非常に低い振幅で振動する枕のような装置を設置し、磁気共鳴エラストグラフィーと呼ばれる新しい神経イメージング装置およびMRIを使い海馬の粘弾性を測定した。
フィットネステストで良い成績を出す被験者たちの方が記憶力テストでも良い結果をだす傾向があった。さらにこの被験者たちの海馬の弾性も高い結果となり、なんらかの相関性があることが分かった。
つまり、海馬がより弾性(個体としての変形のしにくさ)が高いほど記憶力も高いということが分かった。一方で海馬の粘性が高いほど記憶力が悪いということも分かった。
これらの結果より、フィットネスと記憶の深い関係には海馬の粘弾性が関わっていることが示唆され今後の研究への足掛かりとなるだろうと考えられる。 

認知症では海馬の萎縮がみられるなんてよく言われますが、 海馬の粘性と弾性というのが記憶などに関わっているとするとおもしろいですね。フィットネスファンとして、より進んだ研究を期待しましょう!

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