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2017年4月1日土曜日

動かすべき関節と安定に使うべき関節 - Mobility jointとStability jointという考え方の「罠(わな)」


関節には日常動作やエクササイズの際に積極的に動かすべき関節(Mobility joint)とそうではなく動きを安定させるのに使うべき関節(Stability joint)があると言われることがあります。ファンクショナルトレーニングなどの文脈でもよく目にします。

Mobility joint : 
  • 胸椎
  • 股関節
  • 足関節
  • 肩関節
  • 手関節 

Stability joint : 
  • 頸椎
  • 腰椎
  • 仙腸関節
  • 膝関節
  • 肩甲帯 (胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節)
  • 肘関節 



例えば身体をローテーションさせるときには、腰を痛めないために胸椎や股関節を積極的に動作させましょうというインストラクションを受けることが多いと思います。また股関節を積極的に使うことで膝関節の負担を減らすことができます。このMobility jointとStability jointという考え方にマッチしていると言えます。

しかし、ここでポイントとなるのは両者の「連動性」および「バランス」という点です。例えば「膝関節(Stability joint)の屈曲をおさえて、逆に股関節(Mobility joint)を過剰に屈曲させる」ということを行ってしまうと、腿(もも)の裏側のハムストリングスに過剰なストレスを与える場合があります。さらにViPRの発明者であるMichol Dalcourt氏が「膝関節は蝶番(ちょうつがい)関節ではないで強調されているように、膝関節の性質や動作を限定的に理解してしまうことは逆に生物学的な本来の構造を無視したトレーニングを行ってしまう危険もあります。

またStability jointという言葉が意味するのは動作の「安定」であり動作を「制止」または「固定」させるのではない点も重要です。走っている車に急ブレーキをかけることが車体に大きな負荷をかけてしまうのと同じで「動作を止める」というのは身体にとって非常にリスクを伴うことです。つまり正しくは「動いているものを安定させる」という意味であり、それは具体的には「動作の軌道や威力を調節する」や「動作を適切に減速させる」や「過剰な動作範囲を吸収する緩衝として適切に働かせる」といったことになります。

ではこのMobility jointとStability jointの連動性を高めるトレーニングはどうすればよいのでしょうか。両者を同時に意識しながらトレーニング・・・なかなか難しいですよね。そこでよく言われるのが「モビリティファースト」という考え方です。簡単に言えばMobility jointである関節群や筋群の動作や可動を高めるトレーニングをStability jointよりも優先させましょうというものです。意識しやすいのは肩甲骨を含めた肩関節、胸椎、股関節ですね。

この際に注意する点は柔軟性との関係です。もちろん同時に柔軟性を高めていくことは非常に重要なのですが、ただ体が柔らかい人の運動能力が高いとは限らないように(むしろ可動域が広い人の方がそれを制御できず過剰に関節や筋群を動作させてしまいケガや障害のリスクが高まる場合もあります)、それをいかに適切に制御するトレーニングであるかが最も重要な点といえます。例えばMOSSAの最近のプログラムでは錘(おもり)を持って身体を大きく動かすトレーニング、つまりLMT (Loaded Movement Training: 負荷を利用した動作トレーニング)が重要視されています。Jan17のGroup Powerのショルダートラックでは、二枚に重ねたプレートを地面反力を受けた下半身からの威力をうまく利用して大きく斜め上方へ回旋させる種目が入っていますね。その際、錘(おもり)にふりまわされるのではなく、いかに身体に負担をかけないようにトレーニングするかが重要です。具体的には勢いよく動かしたプレートの反動を体幹でどう支え「軌道」や「威力」を安定させる能力を高めるか、急に止めるのではなくいかに上手に「減速」させる運動神経を鍛えるか(=「脳トレ」)、といった意識です。

Oct16やJan17など最近のMOSSAのGroup PowerやGroup Coreのプログラム構成でも「multi-joint-movement」(多関節動作の連動性)という考え方が強調されていますので、これらのプログラムに参加する際に各関節の機能や連動性について考えながらやるとより楽しめるかもしれません。

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