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2017年3月29日水曜日

効率よく体を動かすための簡単なポイント


例えば「ファンクショナル」に身体を動かすことが最近注目されていますね。単に「痩せる」や「筋力アップ」だけでなく「ケガをしないために筋肉や関節や筋膜を含めて動作のトレーニングする」こともフィットネスクラブへ通う大きな目的になりつつあるように思います。

こういった最近のフィットネスのトレンドについて、理論と実践の両面で厳密に議論すればするほど興味深い分野だと思いますが、あえて非常に大雑把に言ってしまえば「生物学的に本来設計されている通りになるべく身体を鍛え動かすこと」と言えるかもしれません。難しく考えずに普段私たちのようなフィットネス愛好者が簡単に意識することができるポイントを以下にまとめてみました。



1. 体重はなるべく足の裏全体で支える。
人間の足の裏は親指と小指の付け根および踵の3点で支え、土踏まずが形成されるような構造上強固なアーチ状になっています。せっかくですからこの構造を利用しましょう。構造がそうなっているということは他の関節や筋群もそれをうまく利用できるようになっていることを意味します。これは両足で支える場合も片足で踏ん張る場合も同じです。また地面や床に踏み込んだ際には反力を受け取り私達の身体は動作や安定のために利用しているわけですが、それらもロスなく利用することもできます。
 2. 身体をローテーションする際は腰ではなく胸と股関節を連動させて動かす。
腰はわずか5度の角度でしか回旋できないと言われています。腰椎は無理に動かすのではなく動作の安定や反動を吸収する緩衝範囲として使うようにしましょう。複数の関節、筋群、筋膜の連動性がポイントです。つまり、脳による複雑な指令に従って身体の各部位がきちんと動作する訓練とも言えますから、実は「脳トレ」になっているわけですね。従来は運動神経を鍛えるという言い方がされてきたものでしょう。
 3. 下半身や腰の動作を伴う時には股関節から動き出す。 
例えばスクワットやランジ動作の場合には、股関節から動き始めると重心はまっすぐ下へ移動しやすくなり、1で述べたような足の裏全体で身体を支えることもしやすくなりますし、体全体の筋群を自然に本来の構造に従って動員することができます。また足を回旋させる時も同様です。膝関節や足首の関節はわずかな範囲でしか回旋できません。
 4. 腕や足を動かす時には腹筋などコアを固める。 
腕や足が正しい軌道や威力で動作するためにはその土台となる体幹がしっかりと安定している必要があります。また関節や筋肉の能力を超えた過剰な範囲で腕や足が稼働してしまうことへブレーキをかけ安全装置としても働いてくれます。
 5. 背中がまっすぐになっているか。 
正しい姿勢をとろうとしてよく見かけるのは、胸をはりすぎる姿勢や腰を反ってしまう姿勢です。肩甲骨を自然に降ろし、鎖骨は正面から見た時Vの字やハの字にならず横にまっすぐのラインで、肩にも腰にも緊張を感じず身体を自然にまっすぐに保てる姿勢を探しましょう。
 6. 腕を動かす時には肩甲骨から動き始める。 
腕を動かすのに貢献しているのは肩関節だけではありません。興味のある方は
例えば「肩甲骨上腕リズム」という言葉を検索してみてください。肩甲骨や鎖骨の動きを意識することでより大きな可動範囲で楽に動かせるようになりますし、腕を動かすために生物学的に本来から用意されている複数の筋群(例えば背中の筋群)の連動的な動員を鍛えることができます。ちなみに肩甲骨は本来はなんと6方向に動くようにできています。
7. 身体を3次元に動かす。
例えば筋膜はその人が普段の生活の中で動かした方向にしか適応しません。動かさない方向があれば動かないように適応してしまいます。筋膜はあらゆる方向に動かせば年齢に関係なく潤い適応することが分かっています。

人間の身体能力というのは実に柔軟にできていて正しくその元来の構造を利用していない動きをしていても同じ出力結果を出そうと適応してくれます。逆に言えば間違った身体の使い方に適応し固定化させてしまいます。これは代償動作と呼ばれますが、長くそのような無理な動作パターンを続けていると本来の構造とは違った動作を各部位が行い続けることになりますので当然ケガや障害としていずれ発症します。せっかくフィットネスクラブで努力してもどこかを痛めてしまったということをよく耳にしますがそれが原因の場合も多いそうです。トレーニングをしていてターゲット部位と違う他の部位にストレスを感じてしまったらそのサインかもしれません。

例えばシットアップやクランチをしていて腹筋にではなく腰に妙なストレスを感じてしまう方など間違った身体の使い方をしている可能性があります。

フィットネスクラブでよく見かけるのは間違ったプランクの姿勢です。プランクのターゲットは腹筋です。それにも関わらず肩や太ももにストレスを感じてしまうということをよく耳にします。腹筋に効かせるためには背中を真っ直ぐにする必要はありますが、それはかならずしも頭〜肩〜背中〜腰〜足の先までの体全体のラインを斜め一直線にすること、つまり身体をまっすぐにすることを文字通りには意味しません。人によっては背中のラインを床とまっすぐ平行に保ち、床で支える足の斜めのラインと一直線にならない姿勢の方が腹筋に一番力を入れられる方々も多いようです。間違ったフォームで無理をするよりも、膝をついて行った方がかえって腹筋にはより効果的である場合もあります。

また柔軟性が高いことや関節の可動域が広いことがかならずしもケガを防止することに有利ではなく、それらを適切に制御できない場合には逆に関節や筋群を過剰な範囲で動作させてしまい、ケガや障害の遠因になってしまうことも近年明らかになってきたそうです。例えば「背中の可動域がより大きな人ほど背中に障害を将来抱えるリスクが高い」という統計データがあるようです。また筋肉や関節の稼働制御にご興味がある方は「野球肩 ローテーターカフ」で検索してみると関連する情報を得られると思います。

ぜひトレーナーの方々に相談してみましょう。



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