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2017年2月18日土曜日

Group Powerチェストトラック:プレートフライのような軽い重量による種目の意味は?


MOSSAのGroup Powerのチェスト(胸)トラックにおいてプレートを使ったフライの種目がよく登場します。この際には負荷はプレートのみになるのでバーベルベンチプレスよりも格段に軽いものになります。このように負荷を軽くしてまで行う利点や目的は何でしょうか。


プレートを使ったフライでは以下のような利点があります。

  • バーベルベンチプレスより可動域を広くとることができるためよりターゲット筋である大胸筋に的を絞った刺激を入れることができる。
  • バーベルベンチプレスより可動域が自由となり不安定性が増すため体幹を安定させるトレーニングになる。


筋肉が力を発揮する際には収縮が行われますがこれにはコンセントリック収縮(プレートを上げる動作、つまりプレート重量(重力)に筋力が勝る収縮)、アイソメトリック収縮(プレートを例えば水平に静止させ耐え続ける動作、つまりプレート重量と筋力が拮抗している収縮。プレートを下げる動作から上げる動作へ切り替える瞬間にもこの収縮様式が発生します)、エキセントリック収縮(プレートを重力方向に下げる動作、つまり重力で落下しようとしている負荷に対して筋力でブレーキをかけ耐えている収縮)の3種類があります。筋トレ動作では多くの場合、コンセントリック収縮の動作を中心に種目がデザインされています。筋肉全体としては外力に抵抗して「伸ばされている(または伸ばされようとしている)」状態または「縮められている」状態となります(ちなみにコンセントリック収縮やアイソメトリック収縮においても筋肉自身は収縮して長さが短くなるため、その筋肉を骨格につないでいる「腱」が伸ばされる状態になります。エキセントリック収縮の場合にはそもそも重力に対して筋肉が伸ばされていくことに耐えるものですから自明ですね)。

ただし、筋肉はその伸ばされている(または縮められている)長さによって発揮できる力の量に変化が出てきます。一般には筋肉が長く伸ばされているまたは短くなっている状態では発揮できる力が小さくなり、ちょうど中間の長さでは筋肉が最大に力を発揮できる状態となります。ベンチに仰向けの状態でプレートを体やベンチのラインと同じまたはより下げるとプレートの重量がそれほどでもないにも関わらず大きな刺激が入るという経験があるかと思いますが、それは重力方向にブレーキをかけるエキセントリック収縮となり大胸筋が最大可動域に向けて伸ばされる状態(筋発揮の能力が小さい状態=軽量でも重く感じる)となっているからです。一方でベンチプレスではその中間の長さ(筋発揮が最大に近い状態)の狭い可動域付近で動作が行われるので重い重量を扱えるわけですね。これはいわゆる「長さ-張力関係(Lenght-Tension Relationships)」と呼ばれるものです。

さて現実の生活動作やスポーツ動作ではこのように同一の筋肉においてその長さというものが状況によって変化せざるを得ないわけですが、もちろんバーベルベンチプレスは重要なトレーニングですが、それだけでは大胸筋などの「最大能力」を鍛えることはできても、可動域が小さいためそれら「筋発揮が構造上小さくならざるを得ない状況」を再現することができません。プレートを使ったフライでは動作の可動域が広くより自由ですから、大胸筋が長く伸長されている状態でも最大の筋力を発揮するように、つまり日常動作に役立つようにトレーニングすることができるわけです。

そして動作の自由度が高い分、錘(おもり)の慣性などを含めて負荷(プレート)の動き(軌道)をきちんとコントロールする(減速や安定させる)必要が出てきますから、同時に体幹のスタビリティ(安定性)のトレーニングにもなるわけです。プレートを使ったフライ動作ではたとえベンチプレスに比べて格段に軽量であってさえも、体が左右に振られるような経験をされる方も多いと思います。しっかり体幹を「固める」ことが重要です。

ボディビルディングのように大胸筋を大きくすることに関心がない方であってもこのようにプレートによるフライ動作というのは非常に日常動作に役立つトレーニング種目と言えるでしょう。

Group Activeで行われるダンベルを使った動作でも同様の(むしろプレートよりも大きな重量を扱えたり調節可能なためもっと大きな)利点があります。そのため同じチェストトラックのベンチプレス動作であっても、Group PowerとGroup Activeでバーベルとダンベルの効果の違いを楽しむこともできますね。

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