伝統的な「筋トレ」という視点からのクランチ動作では、上体を起こしすぎないようにトレーナーの方々からよくアドバイスを受けると思います。ターゲットである腹直筋が力を発揮できるのは30度くらいまでといわれているからです。それを超えた角度を持ち上げると腸腰筋(足を前方へ蹴り上げる動作に使われる主働筋)や腿(もも)などの出番へと切り替わります。ちなみに腹直筋はアウターマッスル、腸腰筋はインナーマッスルです。
一方で最近のGroup Activeのコアトラックでは、ステップ台に仰向けの状態からシットアップ動作を使って座位になり最後は両足で立ち上がる姿勢までもっていく動作がありますが、単に腹筋を鍛えるだけではなく上半身と下半身の連動性をトレーニングすることが狙いだと思われます(日常動作のためのトレーニング)。
Group Centergyのコアトラックではピラティスロールアップで行ってきた動作ですね。
さらにGroup Power Oct16のコアトラックでも「Timebomb」の「Bomb bomb bomb ...」の歌詞の部分で上体をアップダウンさせるバリエーションもあります。
上体をダウンさせるエキセントリック収縮でローディングしたパワーを次に上体をアップさせるコンセントリック収縮へうまく連動させるようなリズム変化の味付けをしてみるのも面白いと思います。ただしもちろん腰の安全性が第一です。
ストレングストレーニング(筋トレ)ではターゲット筋のアイソレーション(他の筋肉の補助をなるべく受けないこと)が重要ですが、逆にパワートレーニングやファンクショナルトレーニングにおいては、連動性が非常に重要な目的になるのでターゲット筋(主働筋)をうまく動作させるためには、拮抗筋の収縮とバランスを取り(現実の動作では主働筋と拮抗筋が共収縮する場合が多い)、協働筋と連携し、固定筋にしっかり安定させることへ頭を切り替えた方が意識性の法則にはマッチしているでしょう。また主働筋間の連携も当然重要になります(例:クランチ動作における腹直筋と腸腰筋の連動)。
同時に反動や勢い(モメンタム)をうまく生み出し制御することが重要です。特に「制御する」というのは動いているものを急に「止める」のではなくうまく「減速」させるという意味になります。これが安全に体を使うことにつながります。
これらはストレングストレーニングでは禁忌(笑)事項ですが、それが「トレーニング」という広い視野においては絶対ではないことを改めて考えさせられます。あくまでトレーニングの目的に応じて使い分けるものなのですね。
MOSSAプログラムのクランチやシットアップ動作について例に挙げましたが、単なる筋トレという視点だけでなく、もっと幅広くとらえてみると私たち参加者にとってプログラムの楽しみ方がまた広がるかもしれません。
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